ロープロファイルキーボードの革命児として人気が高いLofree Flow。もはや薄型キーボードとは思えないほど打鍵感が素晴らしいですが、それでも気になる点はいくつもありました。
- 角度調整ができない
- キーマッピングできない
- USBレシーバー接続ができない
そんなデメリットを解消しつつ、さらにお求めやすい価格になった廉価版「Lofree Flow Lite」が登場。
メーカー様からいただいて使ってみましたが、廉価版といいつつアップグレードしている部分が多く、満足度の高いキーボードとなっています。
既に持っているLofree FlowとLofree Edgeとの比較も交えつつレビューしていくので、興味のある方はチェックしてください。
Lofree Flow Liteの特徴
- 静音性が高いガスケットマウントデザイン
- 新キースイッチ「Spector」と「Hades」の2種類から選べる
- ポーリングレート1000Hzの2.4Ghz接続に対応
- 最大3台のデバイスとBluetooth接続が可能
- 84キー版と100キー版の2種類から選べ°
- 3°か6°の角度調整が可能
- ボリュームホイール搭載で音量調整できる
- Lofree Key Ma
廉価版だけど機能性が進化している
Lofree Flow Liteは前作Lofree Flowの廉価版ですが、Lofree Flowで課題になっていた部分が改善されています。
- 角度調整
- 専用ソフトウェアによるカスタマイズ
- 2.4Ghz接続
- 静音キースイッチ「Hades」の採用
- ボリュームコントロール搭載
Lofree Flowを使っていた時は角度調整やキーマッピングができないのを残念に感じていましたが、Lofree Flow Liteでそれらのデメリットが解消されました。
機能性だけなら完全版Lofree Flowと言っても過言ではないでしょう。Lofree Flowより価格は安いのに。
ダウングレードしている部分があるとすれば、ボディがABS素材になったところでしょうか。そのせいでLofree Flowより安っぽい感じになりましたが、機能性が進化しているのでイーブンといったところ。
また、USBレシーバー搭載によりBluetooth以上の応答性でタイピングできます。1000Hzのポーリングレートということもあり、タイピングしていても遅延を感じられません。
新型キースイッチの「Spector」と「Hades」が登場
標準で搭載されている「Spector」スイッチの他に、静音性に特化した「Hades」キースイッチも選べます。
今回のレビューではSpectorを使用しており、タイピングしてみた感覚としてはLofree Ghostスイッチを軽くしたような印象です。それもそのはずで、Ghostスイッチの押下圧は50gなのに対し、Spectorスイッチは40g。
Lofree Flowを使っていた時は若干ですが指を押したときの感触が重かったですが、Spectorスイッチは軽やかでタイピングしやすいです。
軽いタッチを求めている方なら満足できるはず…!
また、HadesスイッチはLofree FlowやLofree Edgeで使われていたキースイッチよりも静かです。実際の打鍵音は公式サイトが公開している動画を見ると分かりやすいでしょう。
また、メーカーに確認したところSpectorとHadesは個別販売する予定。HadesスイッチをLofree Flowに付けて使ってみたいですね。
Lofree Flow Liteのレビュー
不快感がなさすぎる打鍵感
Lofree Flow Liteでタイピングしていると指がひっかかるような感覚はなく、滑らかにタイピングできています。
Lofree Flowの廉価版という立ち位置ですが、打鍵感はあまり劣っていないですね。
本体はガスケットマウントを採用しているので、静音性と弾力性に長けています。Lofree Flowのような滑らかさはLofree Flow Liteでも健在。
さらに角度調整でちょうどいい位置を維持できるため、手首の疲れを感じづらいのはメリットでしょう。
とはいえ本体素材がアルミニウムではなくABSになったので、Lofree Flowと比べたときに若干の違いは感じます。
Lofree Flowは低音が強調されているのに対し、Lofree Flow Liteは高音が強め。好みの違いでしかありませんが、タイピングしたときの音はLofree Flowの方が心地良かったです。
それでもLofree Flow Liteは価格が安いので、コスパを考えたら充分すぎるクオリティでしょう。
また、ホットスワップ対応なので、GhostやPhantomなどのキースイッチと付け替えることも可能。色々なキースイッチを試せるのも魅力の1つです。
専用ソフトウェアで使いやすさが向上
Lofree Flowにはなかった専用ソフトウェア「Lofree Key Mapper」に対応しました。キーマッピングでキー配置を変更して、作業効率を向上できます。設定自体はマウスをポチポチするだけなので、簡単な方でしょう。
そのほかマクロの設定や、バックライトの調整も可能。
ちなみに私は日本語と英語の切り替えを右Altに配置したり、右端のHomeからPgdnを「None」にしたりして、使いやすくしています。
ただしボリュームホイールの設定を変更できる項目はなかったので、そこは少し残念でした。
ちなみにLofree Edgeで利用できた「Lofree Configurator」とは異なるアプリケーションのようです。また、現状はWindows版しか対応しておらず、Mac版は後日リリーズされる予定。
少しだけデザインの安っぽさを感じる
やはり廉価版というだけあって、コストカットしている部分はあります。分かりやすいところで言えば本体ボディがABS素材になっているところでしょう。
Lofree Flowは全身アルミニウムだったので、どの角度から見ても高級感がありました。一方、Lofree Flow Liteは光沢感やサラサラ感もないので、明確に違いを感じられます。
とはいえLofree Flow Liteのグレーカラーはレトロ感があり、これはこれで良い。デザイン面に関しては、気にしすぎなければ許容できる範囲でしょう。
Lofree FlowやLofree Edgeとの違い
Lofree Flow | Lofree Flow Lite | Lofree Edge | |
ボディ素材 | アルミニウム | ABS | カーボンファイバー&マグネシウム合金 |
カラー | ブラック、ホワイト | ホワイト、グレー、ピンク | ブラック |
キースイッチ | Ghost、Phantom | Spector、Hades | Kailh POMスイッチ2.0 |
キーキャップ | PBT 昇華印刷 | PBT PC | PBT 昇華印刷 |
接続方式 | 有線/Bluetooth | 有線/Bluetooth/2.4Ghz | 有線/Bluetooth |
重さ | 567g/738g | 550g/658g | 486g |
キー数 | 84キー/100キー | 84キー/100キー | 84キー |
ホットスワップ | 〇 | 〇 | × |
専用ソフトウェア | × | 〇 | 〇 |
角度調整 | × | 〇 | 〇 |
ボリュームホイール | × | 〇 | × |
打鍵音の違いはこちら
最もコスパが高いのはLofree Flow Lite
Lofree Flow | Lofree Flow Lite | Lofree Edge | |
打鍵感 | 弾力があって滑らか。 | 滑るようにタイピングできる。 | ノートPCのキーボードを打っている感覚に近い。本体が薄いのに確かなフィードバックを感じられる。 |
打鍵音 | GhostとPhantomはどちらも似ている。 | SpectorはGhostの押下圧を軽くした感じで、打鍵音は控えめ。Hades Switchはかなり静音性が高い。 | コトコト感がある。静音性は高いけど全く音が出ないわけではない。 |
機能性 | 角度調整や専用ソフトウェアは対応していない。 | 唯一ボリュームホイールを搭載。角度調整や専用ソフトウェアにも対応。 | 角度調整と専用ソフトウェアに対応。 |
3つとも使ってみましたが、最もコスパが高いのはLofree Flow Liteです。
Lofree Flow Liteは3機種の中で最も安いのに、機能性が一番優れています。他の機種にはないボリュームホイールがある上に、2.4Ghzに対応しているのが素晴らしい。
打鍵感はどれも魅力的で好みが分かれそうな印象です。明確にこれが優れているという評価は付けづらく、どれを使っても満足度は高いでしょう。
ちなみに私は硬めの打鍵音が好きなので、全身アルミニウムのLofree Flowが一番好きです。
ただ、タイピングの気持ちよさだけで評価するならLofree Edgeも捨てがたい。従来のメカニカルスイッチよりも更に薄いので、唯一無二の打鍵感を味わえます。
しかしホットスワップ非対応のため、今後増えるキースイッチに対応できるという意味では、Lofree FlowかLofree Flow Liteを持っていた方が楽しめるでしょう。
まとめると、コスパや実用性を求めるならLofree Flow Lite、打鍵感にこだわりたいならLofree FlowかLofree Edgeという評価になります。
ペアリング・デバイス切り替え方法
ペアリングモード | FN+1/2/3キーを長押し |
デバイス切り替え | FN+1/2/3キーを一回押す |
2.4GHzモード | FN+4キーを長押し |
Windowsモード | FN+Nキーを一回押す |
Macモード | FN+Mキーを一回押す |
まとめ
Lofree Flow Liteのメリット
- Lofree Flowに劣らないクオリティ
- ガスケットマウントにより滑らかなタイピングができる
- 2,4GHzで安定した接続を実現
- 技適に対応
- キーカスタマイズに対応
Lofree Flowで感じていたデメリットがほとんど解消されているので、機能性における不満はほとんどありません。打鍵感はLofree Flowほどじゃないにしても、おおむね満足できるクオリティです。
また、Bluetooth接続だけじゃなく2.4GHzも利用できる上に、キーマッピングで自分好みに設定できるのは大きなメリットでしょう。
欲を言うなら、60%レイアウトでLofree Flow Liteと同じ機能性、なおかつアルミニウムボディのLofreeが出たら嬉しいと思っています。
Lofree Flow Liteのデメリット
- ボリュームホイールのカスタマイズはできない
- デザインが少しだけ安っぽい
- 英語配列のみ
これといって大きなデメリットはなく、総じて使いやすいキーボードです。とはいえボリュームホイールはあんまり使わないので、せめてカスタマイズできれば使い道が広がると思いました。
相変わらず英語配列のみなのは、日本語配列好きにとっては残念なところかもしれません。しかしLofreeはユーザーの声を反映してくれる印象があるので、いずれは出てくれるはず…
どんな人におすすめ?
- 打鍵感と機能性の両方が優れているキーボードを求めている
- コスパの高いキーボードが好き
- クオリティが高いロープロファイルキーボードを使いたい
もはや廉価版とは思えないほど、Lofree Flow Liteのクオリティは凄いです。機能性と打鍵感のバランスが優れており、なおかつ価格も安い。
ロープロファイルキーボード好きの人はもちろん、Lofreeのキーボードを使ってみたい人にもおすすめです。
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