Androidタブレットの中でも一際コスパが高い製品が登場しました。その名も「Xiaomi Pad 6S Pro」。
6万円台という安さなのに、ハイエンドモデル顔負けのスペックを持っています。
3:2のアスペクト比や120Wの急速充電など、他のAndroidタブレットでは見られない要素に魅力を感じて購入しました。
実際に使っていて、コンテンツ消費だけでなくクリエイティブ用途でも使いやすいと感じたので、その詳細を伝えていこうと思います。
- コンテンツ消費とクリエイティブ作業、どちらもこなせるスペック
- iPadっぽいアスペクト比だから画面が見やすい
- ディスプレイ品質は良い感じ
- バッテリー性能はかなり良い
- 携帯性は微妙なところ
- Youtubeの動作が重い
- 純正キーボードの打鍵感は良いけどタッチパッドが微妙
Xiaomi Pad 6S Proの特徴・スペック
プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform |
メモリ/ストレージ | 8GB+256GB、12GB+512GB |
サイズ | 高さ:278.70mm 幅:191.58mm 厚さ:6.26mm |
重さ | 590g |
ディスプレイ | 12.4インチ 3:2アスペクト比 解像度:3048×2032 リフレッシュレート:最大144Hz 輝度:700nit(標準)、900nit(HBM) タッチサンプリングレート:最大360Hz 画面占有率:88.5% コントラスト比:1400:1 色域:DCI-P3 色深度:687億色、原色Pro 調光:4096段階の輝度調整、DC調光 Dolby Vision、HDR10、ダイナミック補正 TÜV Rheinland低ブルーライト TÜV Rheinlandフリッカーフリー TÜV Rheinlandサーカディアンフレンドリー |
リアカメラ | 5000万画素 JN1、1/2.76インチ、f/1.8 0.64μm 4-in-1ピクセルサイズ 4K/60FPS 4K/30FPS 1080P/60FPS 1080P/30FPS 720P/30fps |
フロントカメラ | 3200万画素 OV32D f/2.2、0.61μm 4-in-1 1080P/30fps 720P/30fps |
深度カメラ | 200万画素 OV02B1B、1/5インチ、f/2.4 1.75μmピクセルサイズ |
バッテリー | 10000mAh 120Wハイパーチャージ対応 |
USB規格 | USB 3.2 Gen 1 |
ネットワーク | Wi-Fi 7(802.11 a/b/g/n/ac/ax/be) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
コーデック | AAC/LDAC/LHDC 5.0/LC3/Auracast |
センサー | Gセンサー、ジャイロスコープ、Lセンサー、Pセンサー、Eコンパス、指紋センサー、ホールセンサー、フリッカーセンサー、色温度センサー |
OS | Xiaomi HyperOS |
3:2のアスペクト比を持った12.4インチディスプレイ
- 3:2アスペクト比の12.4インチディスプレイ
- 解像度は3,048×2,032
- 最大輝度900nit
- コントラスト比1400:1
- DCI-P3サポート
- HDR10、Dolby Vision対応
- TÜV Rheinland低ブルーライトやフリッカーフリー認証
Xiaomi Pad 6S Proの珍しいところは、3:2アスペクト比を採用していることです。ほとんどのAndroidタブレットは16:10アスペクト比という横長ディスプレイが多いです。
しかし3:2アスペクト比は正方形に近いので、横画面でも縦に長いのが特徴。16:9よりも表示できる情報量が多いため、作業向けのディスプレイと言えます。
ちなみに3:2のアスペクト比はiPadと似ているので、iPadみたいなディスプレイが好きなら気に入ると思います。
120Wの急速充電に対応
タブレットの中でも珍しい120W急速充電に対応(執筆時点で120Wの急速充電に対応している製品はXiaomi Pad 6S Proだけ)。
公式によると0%から約35分で満充電できるようなので、驚くほど充電速度が速い。他のタブレットでは得られない快適さがあります。
タブレットで動画視聴をしているとバッテリーが消費されやすいので、すぐに充電が終わってくれるのはありがたい。
ただし120Wの急速充電は対応している充電器じゃないと実現できません。とりあえず付属の充電器を使っておけば問題ありませんが、他社の充電器を使う場合はワット数に気を付けましょう。
クリエイティブ用途でも使いやすい性能
- フラグシッププロセッサ「Snapdragon 8 Gen 2」搭載
- PCレベルのマルチウィンドウを実現
- Xiaomiスマートフォンとの連携機能が充実
- AIアートに対応
- 約3,200万画素のFocusFrameフロントカメラ搭載
- Xiaomiフォーカスペンやタッチパッドキーボード対応
- Wi-Fi 7対応
6万円台のタブレットとしては高性能なプロセッサ「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載し、コスパの高さを感じられます。
さらにXiaomi独自のOS「HyperOS」に対応しているので、マルチウィンドウ機能やXiaomiスマートフォンとの連携など、独自性も高いと言えます。
また専用キーボードやペンシルもあり、クリエイティブ用途でも使いやすいです。
私はペンシルを購入していないので使用感は分かりませんが、AIアート機能を使えば、下手な絵でもプロ並みに変換してくれるとか。
Xiaomi Pad 6S Proの機能性について
性能はハイエンド並み
実際のところどれくらい性能が高いのか、ベンチマークスコアを計測しました。
AnTuTuスコアは約150万もあり、6万円台のタブレットとは思えない性能です。
2023年に発売したハイエンドモデル「Galaxy Tab S9」シリーズと同等のスコアなので、価格差を考えたらXiaomi Pad 6S Proのコスパは飛び抜けています。
またXiaomi Pad 6S Proには「ワークステーション」という機能があり、PCのように複数タブを並べて表示できます。
画像のように、学マスをやりながらブラウザを見ることもできるのです。表示サイズは小さくなりますが、スマホの画面より少し大きいくらい。
ただし、Windowsみたいにサイズを自由に変えられるわけではなく、横幅を少し調整できる程度。とはいえiPadのステージマネージャー的な使い方ができるのは便利ですね。
しかし私が購入したモデルはメモリ8GBなので、ゲームをしながら他の作業もすると重たくなります。快適にマルチタスクをしたいなら、メモリ12GBモデルの方がいいでしょう。
ディスプレイ品質は良い感じ
LCD(液晶)ディスプレイなのですが、色味が良い感じ。例えばBlackview MEGA1と比較してみても、見やすさは歴然でしょう。
Blackview MEGA1の輝度が400nitなのに対し、Xiaomi Pad 6S Proは700nit(標準)もあります。有機ELでもないのに、かなり明るいディスプレイです。
両機種ともアンチグレアフィルムを張って最大輝度にしましたが、その差は歴然でしょう。
DCI-P3の色域をサポートしているので、色の再現度も高め。Blackview MEGA1と比べてみても、自然な色味だと思います。
解像度が3048×2032もあるので、表示できる範囲も広い。Blackview MEGA1の解像度は1200×2000なので、やはり違いは感じられます。
色彩は設定から変更可能。自然な色が良いなら原色Proですが、鮮やかな色が好きならビビッドもおすすめです。
表示サイズやフォント関連も設定で変えられます。初期状態だとアイコンが大きすぎたので、XSに変更しました。この方が解像度の高さを活かせるのでおすすめです。
また、AI画像エンジンによって映像を綺麗に映せるらしいですが、いまいち適用されているのか分かりづらいので、OFFのままでもいいと思います。ONにすると消費電力が上がるので。
バッテリー性能はかなり良い
Xiaomi Pad 6S Proは120Wの急速充電に対応。試しに70%の状態から充電してみたら、たった18分で100%になりました。
15%の状態からやってみても、38分で満充電になったのでかなり速い。そもそも120Wの充電ができるタブレットは他にないので、現状では唯一無二と言っていいほど充電速度が速すぎます。
ちなみに急速充電をOFFにしたり、バッテリー保護機能もあったりと、バッテリー寿命を守るための機能もあるので安心。
また、PC Mark for Androidでバッテリーの減り具合をテスト。リフレッシュレート144Hz固定、音量50%、最大輝度で計測したら100%から20%まで減るのに5時間ほどかかりました。
バッテリー容量が10,000mAhにしては、減りが速いと感じるかもしれません。輝度を下げたりリフレッシュレートを60Hzにしたりすれば、もっと節約できると思います。
とはいえ普段使いにおいて、バッテリー関連でストレスを感じたことはないです。
そもそも急速充電が速すぎて、減りの速さは気になりませんね…
携帯性は微妙なところ
12.4インチなので仕方ないですが、持ち運びしづらい大きさです。本体はスリムなものの、重量は590gほどあります。
ちなみに専用キーボードを購入したので使ってみましたが、いかんせん重量が重たい。1kgを超えてしまうので、13インチのノートパソコンと同じくらいの重さでしょうか。
とはいえ画面が大きいと作業はしやすいので、重さは妥協するしかなさそう。
Hyper OSのせいかYoutubeの動作が重い
Xiaomi Pad 6S Proだけなのか、あるいはHyper OSのせいなのか分かりませんが、Youtubeの動作が重たい。突然固まることが多いため、少々ストレスを感じます。
アップデートで治ればいいですが、執筆時点(2024年11月)でも変わらず…
純正キーボードの打鍵感は良いけどタッチパッドが微妙
外出先でノートPC代わりに使いたかったので、純正キーボードを購入しました。タッチパッド付きなので、ほとんどノートPCを使っているような感覚ですね。
キックスタンドによる角度調整は安定感があり、柔軟な角度を設定できます。
キーボードのキーピッチは一般的な広さで、打鍵感はAppleのMagic Keyboard Folioに近い感じ。想像以上にタイピングが快適です。
しかしタッチパッドの反応が少し悪い。初期状態は押し込みでクリックなので、これなら特に問題なく使えています。しかしいちいち強く押すのが面倒なので、設定から軽くタップしてクリックするタイプに変更。
そうするとクリックは簡単ですが、誤タップが増えます。例えばテキスト選択したいときとか。
まあ慣れれば問題なくなるかもしれませんが、ちょっと使いづらいなぁと思いました。
使いやすいと思ったポイント
iPadっぽいアスペクト比だから画面が見やすい
Androidタブレットはほとんどの機種が16:9アスペクト比なので、Xiaomi Pad 6S Proの画面は新鮮です。
16:9アスペクト比は動画視聴なら使いやすいんですが、それ以外の用途になると狭いなあ…と感じる画面でした。しかし3:2アスペクト比なら画面の情報量が多いため、テキストや画像が見やすいです。
iPadに近い画面比率ゆえに、iPad好きの人でも馴染めると思います。
とはいえ全画面で動画を見ると上下の黒枠が目立つので、それが嫌な場合は16:10アスペクト比の方がいいでしょう。
コンテンツ消費とクリエイティブ作業、どちらもこなせるスペック
12.4インチの大画面ならブログや画像編集がやりやすく、クリエイティブ方面でも使いやすいと感じました。ディスプレイも綺麗でスピーカー品質も良いので、コンテンツ消費でも満足度は高いです。
これで6万円台なら、かなりコスパが高いように感じられます。
Galaxy Tab S10みたいなハイエンドモデルほど機能性が高いわけではありませんが、多くを求めないならXiaomi Pad 6S Proで良いかなあと思います。
まとめ
Xiaomi Pad 6S Proのメリット
- コンテンツ消費とクリエイティブ作業、どちらもこなせるスペック
- iPadっぽいアスペクト比だから画面が見やすい
- ディスプレイ品質は良い感じ
- バッテリー性能はかなり良い
Androidタブレットはコンテンツ消費に使うのが最適ですが、Xiaomi Pad 6S Proに至ってはクリエイティブ用途でも全然使えるという印象です。
なにより3:2のアスペクト比が使いやすさに拍車をかけていると思います。一般的なAndroidタブレットよりも画面が見やすいのなんの。
バッテリーに関しても急速充電が速すぎて文句の付けようがないです。
Xiaomi Pad 6S Proのデメリット
- 携帯性は微妙なところ
- Youtubeの動作が重い
- 純正キーボードの打鍵感は良いけどタッチパッドが微妙
単体で持ち運ぶならそこまで重たくないですが、キーボードを付けると流石に重たいです。とはいえ大きなデメリットはそれくらいなので、総じて不満が少ないタブレットと言えます。
どんな人におすすめ?
- ハイスペックだけど価格を抑えたAndroidタブレットが欲しい
- iPadみたいなアスペクト比のディスプレイが好き
- Androidタブレットをクリエイティブ用途にも使いたい
コンテンツ消費に使うならXiaomi Pad 6でも充分ですが、さらに幅を広げて使いたいならXiaomi Pad 6S Proがおすすめです。
私の中では、Androidタブレットでクリエイティブ用途と言えばGalaxy Tabシリーズのイメージでした。しかしXiaomi Pad 6S Proはお手頃な価格で高性能なので、「これで良い」と思えるようなタブレットです。
コスパが良くて、クリエイティブ用途で使えるAndroidタブレットを探している方に最適でしょう。